STAGE8 | 何にもないから何でもできる!

STAGE8

「あの椅子に座りたい!」
部屋の一角にあるとっておきです。仕事がひと段落ついたり、休みの日の
最後にこの椅子に座ってリラックスするのが決まりです。
ただ、最近は、あの椅子に座ることができない、、。なんとか、仕事に目処をつけて、コーヒー牛乳と新しいCDをもって駆け込みたいです。

《8回表》
発注もできた。売り場も構成できた。自分もついに、一つのカテゴリーをまかされるようになるのかな。そう、思っていた矢先、新しくもらった仕事は、バックヤードの管理。全品の在庫やストック状況を把握して、売り漏れがないように管理する仕事でした。周りの人はすぐにカテゴリーの担当者になっているのに、何故自分は裏方に回されるのか。そのときはとても不満でした。

先輩にメールを送って、そんな心情を話すと、不思議そうな文体で返事が返ってきました。「バックヤード管理というのは、なかなかできるものではない。
すぐに担当になるのも一つの手段だけど、全品目を把握しているスタッフなんて、そんなにはいないし、これは逆に重要な仕事を任されたと思うべきなんじゃないの?」

とはいえ、結果裏方だよと、日々口を膨らましていた自分ですが、思いもよらない成長がありました。それは、週末の出来事です。

「ギフトで300人分の注文が来たんだけど、在庫どうなってる!?今日の夜に受け取りにいらっしゃるから、1つ500円で包めるものを探さなきゃ」

毎日、裏方にいる自分には、なんら驚くことではありませんでした。
「バスグッズなら、これとこれが○○個あって、全部で450円。色違いならそろえられます。ステーショナリーは今あるものではペンとノートしか在庫ないので組めません。紅茶が少し在庫過多なので、これと組み合わせて出したら、お客様の要望にも合うしいいと思います。」

あわてていたスタッフが、さらに驚いていました。円滑にラッピングが進み、
夕方には全て準備万端。先輩がふと「役に立っているじゃない?」と
声をかけてくれました。

それから、新しいスタッフがきても「バックヤードを知る者は店を知る」と
口をすっぱくして伝えました。在庫も把握できたことで、ようやくカテゴリー担当に。しかしその担当する分野は、考えていたカテゴリーではなく、さらに努力を要する世界でした。でもそれはまた後日の話。

《8回裏》
「新しい仕事のまかされかた」

以前に、○○だからこの仕事が大切。という伝え方の話をしました。
これに類似するものなのですが、本来、モチベートの高いスタッフほど、
自分が思い描いている仕事と異なるものを与えられたときに、憤りを感じます。そういうとき、私はいつも「仕事の責任の大きさ」を物差しにして
相手に伝えています。どんな仕事でも掘り下げれば専門性が必要になる。
だから、相手のキャパシティにあわせて仕事を掘り下げて依頼します。

すると、「なかなか難しいな」と感じた時点で、職種への不満は緩和されるのです。何でも、勉強。やる気のある人は成長することを拒みません。